第108回全国高校野球選手権山梨大会は20日、山日YBS球場で準決勝が行われ、4季連続の甲子園出場を目指した山梨学院が延長10回タイブレークの末、帝京三に4-5で敗れた。今秋ドラフト1位候補に挙がる最速152キロの二刀流右腕・菰田陽生投手(3年)は「4番・一塁」で出場して4打数無安打、10回から3番手として救援したが勝ち越し適時打を許した。県内公式戦24連勝が止まり、195センチの長身を震わせて大粒の涙をこぼした。
延長10回に150キロ、それでも代打に決勝打を許す
試合は2回に山梨学院が1点を先制したが、直後の3回に先発の左腕・木田倫大朗投手(3年)が4者連続安打を浴びて3失点。1死一、三塁から救援した2番手の渡部瑛太投手(2年)も帝京三の濱井優斗外野手(3年)に中越えの適時打を許し、この回一挙4点を失った。それでも打線は3回、5回、6回と1点ずつ返し、6回1死満塁から杉村空飛外野手(3年)の中犠飛で同点に追いついた。
7回、8回は両軍とも無得点で、試合は延長タイブレークへ。4-4で迎えた10回、大歓声に迎えられて菰田陽生投手が3番手としてマウンドへ上がった。12日の巨摩との2回戦以来、今大会2度目の登板だった。先頭打者を空振り三振に仕留め、山梨大会での自己最速となる150キロも計測したが、1死一、二塁から代打の竹田伊織外野手(3年)に149キロの直球をはじき返され右前へ抜けた。その裏、1死満塁と反撃の好機を作ったが、帝京三の今村裕星投手(3年)に2者連続三振に打ち取られて試合が終わった。
菰田投手は「もう絶対抑えるっていう感じで投げてたんですけど、1点取られてしまって、それで本当に負けてしまったので、エースとしてもキャプテンとしても本当にだらしない」(日刊スポーツ)と悔やみ、被弾した一球については「少し甘いかなというのはあります」と唇をかんだ。
4番としても決めきれず、「一番の敗因」と自らを責める
打者としても不完全燃焼だった。6回、犠飛で同点に追いついた直後、なおも2死一、三塁の好機で打席が回ってきたが三ゴロ。4打数無安打1四球に終わり、「もうチャンスで回してもらってる中で、本当に自分が決めきれず、こういう負け方をしてしまったので、キャプテンとしてもそうですし、4番打たせてもらってる主軸としても、本当に自分が決めきれなかったのが一番残念だなと思いました」(日刊スポーツ)と自らを責めた。
試合終了の瞬間は一塁ベンチ付近で立ち尽くし、試合後は人目をはばからず涙を流した。「もう正直何が起きたのかまだわからない状態で、一番は悔しいという気持ちです」。3時間16分の激闘の末に、最後の夏が終わった。吉田洸二監督(57)は「選手に申し訳なかった。勝たせる戦力はウチの方があったと思う。彼らの甲子園のチャンスを奪ってしまった」(スポーツニッポン)と責任を背負った。
いざ、次のステージへ
今春のセンバツでは1回戦で左翼ポール際へ甲子園初本塁打を放ったが、同じ試合の一塁守備で打者走者と接触して左手首を骨折。その後、投手として打者として徐々に復活し、今夏の1回戦の韮崎戦ではNPB8球団のスカウトが視察する中で特大の一発、2回戦の巨摩戦で二刀流出場を果たした。順調に復活の過程を進めてきただけに、準決勝での敗退は悔やまれる。
195センチ、102キロの恵まれた体格から最速152キロを投げ込み、打っては高校通算39本塁打。この二刀流には駿台甲府との準々決勝でNPB12球団のスカウトが集結し、この日も東北楽天や阪神など複数球団が熱視線を送った。
進路について、試合直後は「まだ考えたくないです。この負けを引きずっても仕方ないですけど、今は何も考えられない」と言及を避けたが、入学時から高校卒でプロを目指す意思のもと成長を続けてきており、プロ志望届の提出は確実と見られる。吉田監督は「良い形で次のステージに向かわせることができたと思います。これからプロの世界に行って、ファンに応援してもらえるような選手になってほしい」(日刊スポーツ)と教え子の未来に期待を寄せた。
この3年間については「高校野球というのを一番深くできたと思っています」と声を震わせた。後輩たちには「自分たちは負けてしまって、次がないですし、本当にこの悔しい思いっていうのを、やっぱり一個下だったり二個下に、本当にもう次につなげてほしい」とバトンを託した。
9月にはU18アジア選手権(台湾)を戦う侍ジャパンU18代表に選出される可能性も高いと見られ、休養を挟んでトレーニングを再開する。夏に味わった悔しさを背負い、怪物は秋のドラフト会議へ向かう。
【菰田 陽生】 プロフィール
- 氏名:菰田陽生(こもだ・はるき)
- 所属:山梨学院高校(3年)
- 出身:千葉県御宿町(御宿少年野球クラブ→御宿中・千葉西リトルシニア)
- 生年月日:2008年12月21日
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:195cm、102kg
- 主な特徴や実績:195センチ、102キロの巨体から最速152キロを投げ込み、打っては高校通算39本塁打を誇る投打二刀流。球種は直球、スライダー、カーブなど。50メートル走6秒4、遠投95メートル。山梨学院では1年春からベンチ入りし、2年春から3季連続で甲子園に出場。2年春のセンバツでは2年生最速タイとなる152キロを計測し、3年春のセンバツでは左翼席へ甲子園初本塁打を放った。同じ試合で左手首を骨折したが、最後の夏に投打と守備の全てで復活を示した。「ネクスト大谷」と呼ばれる逸材は今秋ドラフトの目玉であり、1位指名が確実視されている。



























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