プロ注目の二刀流、常葉大菊川高の佐藤大介投手(3年)の夏が終わった。27日にしずてつスタジアム草薙で行われた第108回全国高校野球選手権静岡大会決勝で、常葉大菊川は聖隷クリストファーに2―4で敗れ、2018年以来となる夏の甲子園出場はならなかった。背番号「1」の佐藤投手は「2番・DH」で出場して4打数2安打と気を吐いたが登板は無かった。試合後には「プロ1本」と明言し、プロ志望届を提出して次のステージへと向かう。
150キロ左腕・高部陸との再戦で2安打、意地の内野安打
投打でチームをけん引してきた183センチの二刀流はこの日、2番・DHで出場して、最速150キロを誇る聖隷クリストファーのプロ注目左腕・高部陸投手(3年)と対戦した。昨秋の県大会準決勝では高部投手から4打数3安打を放った好敵手との再戦だったが、この日も4回に中前打を放つと、「今大会は調子がいいわけではなかった。とにかくチームバッティングを心がけ、逆方向を意識して打っていた」(スポーツ報知)と、逆方向を意識した打撃で2安打をマークした。
0―4の9回無死二塁の打席だった。遊撃へのゴロを打つと一塁へヘッドスライディングで飛び込み、内野安打で出塁。一塁上では三塁ベンチへ向かって何度も両手をあおり、仲間を鼓舞した。続く小川優人選手の適時打などで2点を返し、2点差まで詰め寄った。だが最後まで高部投手を打ち崩すことはできず、常葉大菊川と佐藤投手の夏が終わった。
「この1年は高部対策」、抱擁でライバルにエール
試合後の整列では、同じ背番号「1」を背負う相手エースと抱擁を交わし、「甲子園でも頑張って」とエールを送った。高部投手は「いろんな球に対応してきて、本当にいい打者だと思った」と最大のライバルをたたえた。佐藤投手も「この日のためにやってきたので悔しい思いはある。でも、この1年は高部対策をやってきた。悔いはない」と、持てる力をすべてぶつけた勝負を振り返った。
この日は1学年下の福田大斗投手(2年)が先発し、佐藤投手は救援に備えて待機していた。25日の準決勝・加藤学園戦では血まめができた状態で9回2失点完投。9回には足をつるアクシデントに見舞われながらも続投し、最後までなげていたがこの日は登板は無かった。今大会、投手としては調整に苦しみ、パフォーマンスは自ら「60%」と悔いを残したが、「自分が結果を出していなかったときでも周りのみんながカバーしてくれた」とチームメートへの感謝を口にした。
阪神・吉野スカウトが打者の資質を高評価、「自分はプロ1本で」
大会期間中は多くの球団のスカウトが視察に訪れた。この日、視察した阪神の担当スカウトは、打者としての資質を高く評価した。
阪神・吉野スカウト:「コンタクト率が高い。力もあるし、脚力もある。投げてもあれだけ投げられる肩がある。将来性は魅力」
進路については大会前から変わらず「プロ1本」と改めて明言した。「プロなら野手になると思う。引退して、野手の練習に専念できる」と話し、野手で勝負することを既に決めている。
1年時から度重なる故障を乗り越え、昨年のセンバツでは公式戦初登板も経験した佐藤投手は、「本当にこの菊川に入学してよかった。仲もいいですし、最後に集大成というか、本当にいいチームになりました」と仲間への感謝を胸に高校野球に区切りをつけた。「高校野球で学んだ全力プレーを忘れずにやっていきたい」と必死に顔を上げた二刀流は、次はプロの夢へと歩みを進める。
【佐藤 大介】 プロフィール
- 氏名:佐藤大介
- 所属:常葉大菊川高校(3年)
- ポジション:投手
- 身長:183cm
- 主な特徴や実績:「2番・DH」で打線を、マウンドではエースとしてチームをけん引した183センチの大型左腕で、卒業後はプロで野手を志望する二刀流。1年時から度重なる故障を乗り越え、昨春センバツでは公式戦初登板も経験した。第108回全国高校野球選手権静岡大会決勝の聖隷クリストファー戦では「2番・DH」で4打数2安打と気を吐き、最速150キロの高部陸投手からも2安打をマーク。準決勝の加藤学園戦では血まめのできた状態で9回2失点完投と、最後までエースの責任を全うした。チームは2―4で敗れて甲子園出場を逃したが、進路は「プロ1本」と明言。次のステージでのさらなる飛躍が期待される。











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