2018年のパリーグの新人王は、東北楽天の2年目だった田中和基選手が獲得した。昨年の記事ではオリックスの田嶋大樹投手を予想したが、序盤に勝ち星を順調に重ねたものの故障により獲得はならなかった。今年も懲りずに予想してみる。
2年連続で野手が獲得
新人王は、投手は先発で10勝をした選手がいれば当確ラインに入ってきますが、野手で打率3割、ホームラン20本を打ってくると2ケタ勝利投手よりも可能性が高くなります。また、例えばショートなどで1年間全試合で出場し、チームの新人記録を塗り替えるような活躍を見せた2017年の源田壮亮選手のように、打率は.270でも新人王を獲得する事ができます。
ここ10年の新人王を見ると、
年度 | 選手 | チーム | 守備 | 成績 |
2009 | 摂津正 | ソフトバンク | 投手 | 5勝2敗0S34H、防1.47 |
2010 | 榊原諒 | 日本ハム | 投手 | 10勝1敗0S6H、防2.63 |
2011 | 牧田和久 | 西武 | 投手 | 5勝7敗22S1H、防2.61 |
2012 | 益田直也 | 千葉ロッテ | 投手 | 2勝2敗1S41H、防1.67 |
2013 | 則本昂大 | 東北楽天 | 投手 | 15勝8敗0S0H、防3.34 |
2014 | 石川歩 | 千葉ロッテ | 投手 | 10勝8敗0S0H、防3.43 |
2015 | 有原航平 | 日本ハム | 投手 | 8勝6敗0S0H、防4.79 |
2016 | 高梨裕稔 | 日本ハム | 投手 | 10勝2敗0S1H、防2.38 |
2017 | 源田壮亮 | 西武 | 遊撃手 | .270、3本塁打、57打点、37盗塁 |
2018 | 田中和基 | 東北楽天 | 外野手 | .265、18本塁打、45打点、21盗塁 |
これを踏まえてパリーグの新人王を予想してみます。
ルーキー新人王候補
6球団のルーキーの新人王候補は次の通り
西武 :松本航・投、山野辺翔・内、粟津凱士・投、森脇亮介・投、佐藤龍世・内
ソフトバンク:甲斐野央・投、杉山一樹・投、板東湧梧・投、泉圭輔・投、奥村政稔・投
日本ハム :吉田輝星・投、生田目翼・投
オリックス :頓宮裕真・内、荒西祐大・投、富山凌雅・投、左澤優・投
千葉ロッテ :藤原恭大・外、東妻勇輔・投、小島和哉・投、中村稔弥・投、松田進・内
東北楽天 :辰己涼介・外、太田光・捕、弓削隼人・投、渡邊佳明・内、小郷裕哉・外、鈴木翔天・投
投手の候補で、まずは10勝の可能性がある先発候補をピックアップすると、松本航、生田目翼、小島和哉、荒西祐大の4人となりそうでこの中で、アマチュア時代から実績も踏まえる共に、チーム事情を考えると、西武の松本投手が大本命という事になる。松本選手は大学4年間で大きな故障もなく、毎年1年間を通して投げている。球威も変化球も十分で、西武の強力打線の援護もあれば、かなりの可能性で新人王になる可能性がある。
日本ハムの生田目投手は、大学、社会人での実績もあり、先発ではチェンジアップなど変化球を使って6回をまとめる能力が高い。先発ローテーションとしてしっかりと実績を残しそうだ。またロッテの小島投手は左腕という事もあり、安定したコントロール、そして高校、大学で実績も十分。松本投手の対抗馬として十分期待できる。荒西投手は昨年1年間を通じて活躍を見せていた。社会人8年間の実績もあり、10勝を記録してくるかもしれない。
リリーフの候補を見てみると、甲斐野央投手、奥村政稔投手、東妻勇輔投手、森脇亮介投手が挙げられる。甲斐の投手は159キロを投げており、160キロの可能性も高い。ただし新人王を獲得するという事であれば少なくても30セーブを挙げたい所だが、リリーフでは森投手がおり、またサファテ投手が復帰してくるとチーム事情が影響をしてくる。奥村投手も投げっぷりの良い投球を見せそうだが、同じ理由で厳しいかもしれない。
ロッテの東妻投手はリリーフエースになる可能性を秘めている。155キロの速球があり、高めの球で空振りを奪えれば30セーブを記録してきそうだ。また森脇投手も150キロの球を持っており、リリーフが固定しておらず弱い西武で、リリーフエースとして確立する可能性は十分ある。
日本ハムの吉田投手は、タイプ的にはリリーフという事になるかもしれない。ただし1年目から30セーブというのはまだイメージが沸かない。
続いて野手の候補を見てみると、山野辺翔選手、頓宮裕真選手、藤原恭大選手、辰己涼介選手が挙げられる。
藤原選手は話題性も十分あり、足ではプロ1軍で活躍するレベルものを持っていると思う。木製バットで結果も残しており、打撃もある程度できそうだが、打撃でまだムラがあり、いつも目いっぱいでプレーする事からケガのある選手でもある。1年間を通じて好成績を残すには、体力を残しつつプレーするくらいのものが必要で、もう1ランク体力強化が必要かもしれない。
それを考えると辰己選手は、肩と足はプロでもトップクラスのものがあり、それだけでも十分見せてくれそうだ。また打撃も大学4年間で田口壮選手に迫る記録を残しており、かなり高い可能性で新人王候補となる。ただし楽天は新人王を獲得した田中選手や島内選手がおり、外国人次第ではレギュラー争いが厳しくなる。それでもセンターとしてレギュラーを取るだろう。
頓宮選手は打撃でアピールできそうだが、守備はサードに挑戦するとのことだが、やはりまだ厳しい感じはする。守備が打撃に影響をする選手で、DHで楽に打たせたい気持ちもあるが、DHでホームランを20本では新人王は難しいかもしれない。山野辺選手は源田選手のように守備で1年間プレーする事が求められる。安定した守備がありセカンドを守り続ける可能性はあるものの、浅村選手の穴を考えるとセカンドにも打撃に結果が求められそうでやや厳しいかもしれない。
パリーグ新人王は?
という事で
本命:松本航(西武)
対抗:辰己涼介(楽天)
大穴:生田目翼(日本ハム)、小島和哉(千葉ロッテ)、荒西祐大(オリックス)、藤原恭大(千葉ロッテ)
とする。2年目以降の選手ではロッテの安田尚憲選手が1年目は60打席でギリギリ新人王の権利を残した。またソフトバンクの高橋礼投手も30イニングとギリギリ新人王の可能性を残している。西武の斉藤大将選手も権利を残しており、今年は左の先発候補として登板数は増えそうだ。
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