東都大学野球リーグで史上3校目の6連覇と明治神宮大会連覇を達成した青山学院大学の優勝祝賀会が東京都内のホテルで盛大に行われた。関係者約350人が集まる中、今秋ドラフト1位でプロ入りする中西聖輝投手（中日）、小田康一郎選手（DeNA）ら4年生が登壇。その偉業を引き継ぐ新主将・渡部海捕手（3年）は、「前人未到の7連覇、8連覇」を高らかに宣言した。
「史上初」3年連続ドラ1複数輩出、黄金時代の証明
青学大の強さを象徴するのが、ドラフト会議での圧倒的な実績だ。一昨年の常廣羽也斗投手（広島）、下村海翔投手（阪神）、昨年の西川史礁選手（ロッテ）、佐々木泰選手（広島）に続き、今年も中西聖輝投手と小田康一郎選手がそれぞれ中日と横浜DeNAからドラフト1位指名を受けた。これで「3年連続で同一チームから複数のドラフト1位選手」が誕生するという史上初の快挙を成し遂げている。
そしてそのバトンは、新主将・渡部海捕手と次期エース・鈴木泰成投手へと受け継がれる。来秋のドラフト1位候補でもある渡部捕手は、新主将としてマイクを握ると、「春のリーグ戦へ向けてという部分にフォーカスしています。まずはそこを突破しないと、自分の夢にもつながってこない」と話し、まずは東都リーグ７連覇が最大の目標とした。
新主将・渡部海「変化を恐れず」V7宣言
青山学院大は戦国友いわれる東都リーグで今年も春・秋のリーグ戦を制し、６連覇を達成した。新主将にはかなりのプレッシャーになっていると思うが、渡部選手は「いいものを引き継ぎつつ、自分たちの色を出す。変化を恐れず新記録の7連覇、8連覇に向けてやっていきたい」と力強く宣言した。
安藤監督からも「周りを巻き込んで挑む上で渡部だと思った」と全幅の信頼を寄せられての抜擢。「全員で意見を出していける活気のあるチームにしたい」と理想のリーダー像を掲げた。
名将からの「辛口エール」に身を引き締める
この日は、高校からも大阪桐蔭の西谷監督、智弁和歌山の中谷監督が祝賀会に駆けつけた。中西投手、渡部捕手を指導した中谷仁監督は、中西投手について「高校の時は本当にやんちゃでワガママな選手だったが、立派に成長させていただいた」と目を細め、安藤寧則監督の手腕と大学の育成環境を絶賛した。
大阪桐蔭の西谷監督も「同じ野球人として勝つことの難しさもそうですけども、勝ち続けることの難しさを分かっているつもりです。本当に難しいことです」と話し、「連覇の”連”は人と人とのつながりを作っておられる安藤監督のご指導のおかげだと思っております」と話し、「青山学院さんのように連なって勝てるチームを作っていきたいと、きょう改めてここに来て思いました」と刺激を受けた。
また、祝賀会では、青山学院大で4度の大学日本一に導いた河原井正雄前監督から「秋はいろいろな球場へ行けるのを楽しみにしている」という挨拶があった。これは、2部落ちしてドサ回りをすることになるぞ、という、強烈な“辛口エール”だった。
渡部選手、そして最速154キロ右腕・鈴木泰成投手はドラフト１位指名はほぼ確実とも思われるが、もちろんケガなどがあればわからない。また、みんなが強いと思っているときほど、厳しい結果になるのも東都１部の怖い所で、国学院大、中央大、亜細亜大、東洋大、そして立正大も多くの注目選手を要し、特に青山学院大に対して全力で叩きに来る。油断をすれば最下位に沈む、そんなリーグだろう。
安藤監督は「一番の応援者からの思いに応えるべく、一瞬、一球を大切にする」と決意を新たにした。まずは二人がケガをすることなく1年間をプレーし、そして来秋には「8連覇」となっているか、”戦国”もいよいよ統一されて王朝が誕生するのか（すでにしているのか）注目したい。
渡部海 プロフィール
- 氏名： 渡部 海（わたなべ・かい）
- 所属： 青山学院大学（3年）
- 出身： 智弁和歌山高等学校
- ポジション： 捕手
- 投打： 右投右打
- 主な特徴や実績： 1年時からレギュラーを務める大学球界No.1捕手。強肩強打でチームを牽引し、リーグ6連覇、日本一4回に貢献。来秋のドラフト1位有力候補。
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