夏の高校野球選手権奈良大会は4回戦が行われ、奈良大付が智弁学園に9-6で逆転勝ちし、準々決勝進出を決めた。センバツ準優勝左腕の智弁学園・杉本真滉投手と、身長190センチから最速150キロの速球を投げる右腕・新城楓雅投手(3年)のプロ注目投手同士の対決に9球団のスカウトが集結したが、酷暑の中で共に序盤に失点を重ねる想定外の試合展開となり、1人で150球を投げ切って完投した新城投手が、今春のセンバツ準優勝校を倒した。
初回4失点、8失策の乱戦を1人で投げ切る
新城楓雅投手は立ち上がりにつまずいた。初回にいきなり4点を献上し、その後も守備の乱れが重なって失点を重ねる苦しい展開となった。それでも味方打線が4点を追う2回に同点に追いつくと、新城投手はマウンドで落ち着きを取り戻した。「(立ち上がりの失点で)焦りはあったけど、2回に辻本が同点のタイムリーを打ってカバーしてくれた。そこから落ち着いて投球しようと思った」(サンケイスポーツ)と話す。
その後もセンバツ準優勝の智弁学園打線の圧力や、味方の8失策などにより苦しい投球が続いたものの、9回6失点も最後まで1人で投げ抜いた。
この日は気温が35度を超える過酷な環境だった。長いイニングを投げるなかで体にも異変が出ていたという。「足がつりそうなときがあったけど『自分が投げる』という気持ちでやった」。それでも新城投手はマウンドを譲らず、後半は相手先発の杉本真滉投手との消耗戦を辛抱強く投げて制した。
9球団視察の注目の中で
190センチの長身から投げ下ろす最速150キロの直球は、高校生離れしたスケールをがあり、今大会もエースとしてチームの軸を担っている。この日はプロ注目投手同士が激突するということもあり、福岡ソフトバンクが5人態勢で視察するなど9球団のスカウトが集結した。
その中で、この日のような苦しい試合を1人で投げ切ったことは、夏の残り試合に向けて大きな意味を持つ。
奈良大会でも優勝候補の一角だった智弁学園に、4点を追う展開から逆転した奈良大付は、9-6で振り切って準々決勝に駒を進めた。田中監督は「新城が立ち直って頑張った結果」と、熱投のエースをねぎらった。
高い素質に加えて、守備が乱れた乱戦でも投げ抜く精神的な強さを示した。甲子園を目指す夏はまだ続くが、まずはこの日の疲労を回復できるか。
【新城 楓雅】 プロフィール
- 所属:奈良大学付属高校(3年)
- ポジション:投手
- 身長:190cm
- 主な特徴や実績:190センチの長身から最速150キロの直球を投げ込む本格派右腕。第108回全国高校野球選手権奈良大会の智弁学園戦では、初回に4点を失い、味方の8失策も絡んで6失点を喫しながら、気温35度を超える酷暑の中で150球を1人で投げ切って完投勝利。センバツ準優勝校を相手に逆転勝ちを呼び込んだ。長身から投げ下ろす角度のある速球と、苦しい展開でも崩れない粘り強さを兼ね備えており、さらなる飛躍が期待される。













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