全日本大学野球選手権の2回戦が東京ドームで行われ、関西大(関西学生)が5対3で北九州市大(九州六大学)を下し、準優勝した1991年以来、実に35年ぶりとなるベスト8進出を決めた。この試合の先発マウンドに上がったのは、最速152キロを投げ来年のドラフト注目の190センチ超大型左腕・百合澤飛投手(3年)、この日、投じた92球のうち8割を超える75球がストレートという破格の真っ向勝負を見せると、6回0/3を3失点、毎回の9奪三振を奪う圧巻の力投を披露し、鮮烈な全国デビューの舞台でチームを勝利へと導いた。
92球中75球がストレート、東京ドームを圧倒した驚異の「ほぼ直球勝負」
全国大会という大舞台の先発を任された大器・百合澤飛投手は、ゲームの立ち上がりから自身の最大の武器を前面に押し出した。初回、自己最速にあと2キロと迫る150キロを計測すると、常時145キロ前後の直球を投げ込んで北九州市大打線をねじ伏せた。スライダーや変化球も交えたが、全投球数92球のうち81.5%にのぼる75球がストレートで、打者が分かっていても前に飛ばせない、手元でホップする浮き上がるような快速球で空振りを奪い続けた。犠打によるアウトを除けば、内野ゴロはわずかに1つのみ。詰まったフライと三振の山を築き上げ、6回まで毎回の9個の三振を奪うドクターKぶりを誇った。
百合澤飛投手は、「硬いマウンドに慣れるまでに時間がかかったけど、粘りの投球ができたと思います。全国の打者を詰まらせることができたので自信になりました」(スポーツニッポン)と話し、不慣れなドームのマウンドに対応しながらも、自慢の快速球が全国で通用したことに大きな手応えを示した。
関大の小田洋一監督は、「全国初登板で緊張感があって、最後まで行ってほしかったけど、あそこまででしょう。」(サンケイスポーツ)と語り、緊張の中を投げきった若いサウスポーを称えた。
関西大「左腕王国」の系譜、米沢友翔投手や金丸夢斗投手の背中を追う
関西大といえば、一昨年のドラフト会議で複数球団が1位指名で競合し、現在は中日の先発陣で投げている金丸夢斗投手を輩出しているが、今春のリーグ戦で大ブレークを果たし、全日本選手権の1回戦でも10個の三振を奪ったエース左腕・米沢友翔投手(4年)が今秋ドラフトの上位候補として注目されるなど、好左腕の輩出が続く「左腕王国」の系譜がある。そして、この選手権の舞台で衝撃的なデビューを飾った百合澤投手もまた、早くも2027年秋のドラフト上位候補としてスカウト陣の調査リストに名を連ねることとなった。
偉大な先輩たちの背中を追い、マウンドをともにする百合澤飛投手は、「米沢さんの切れのある球は本当に尊敬している。練習に取り組む姿勢も含めて刺激を受けています」(スポーツニッポン)と話し、大黒柱への敬意と、日々の切磋琢磨が自らを急成長させた原動力であることを明かした。エースの米沢投手に次ぐ大商大の系譜を継ぐ存在として、春のリーグ戦でも2勝を挙げて全国切符獲得に大きく貢献。190センチ、97キロという圧倒的な巨体から放たれる威力抜群の剛球は、間違いなく今後のドラフト戦線の主役となるポテンシャルを秘めている。
35年ぶりとなる準々決勝進出を果たし、次戦からもさらなる強豪との対戦が見込まれるが、大型左腕は、「けっこう体力には自信があるので、任されたらすぐ行けるような準備をしたい」(スポーツ報知)と力強く語った。そのタフな精神力と底知れないスタミナ、そして絶対的な「真っ向勝負」の直球を武器に、全国の頂点を目指して進化を続けていく。
【百合澤 飛】 プロフィール
- 氏名:百合澤飛(ゆりさわ・たか)
- 所属:関西大学(3年)
- 出身:島根県松江市(雑賀ライガース - 開星中学校軟式野球部 - 開星高校出身)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:190cm、97kg
- 主な特徴や実績:自己最速152キロ。190センチ、97キロの恵まれた巨体から放たれるホップ成分の多い快速ストレートが最大の武器。開星高時代からそのポテンシャルを注目され、関大進学後は1年秋にリーグ戦デビュー。今春は2勝を挙げて35年ぶりとなる全国選手権出場に大きく貢献した。全日本大学野球選手権2回戦の北九州市大戦で、投球の8割以上をストレートで押す破格の真っ向勝負で6回9K3失点。中日の金丸夢斗やエースの米沢友翔に続く「関大・左腕王国」の系譜を継ぐ、2027年ドラフト最注目候補の一人。










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