明治神宮大会が開幕し、環太平洋大vs国際武道大の試合では、環太平洋大の先発・徳山一翔投手が7回をノーヒットノーランに抑える投球を見せた。
スカウト部長高評価
先発した環太平洋大の徳山一翔投手は、最速148キロの速球を投げる左腕投手で、鳴門渦潮時には最速135キロも、右打者のインコースにキレの良いクロスファイアを投げる投手として注目されていた。
この日は最速147キロのストレートのキレが抜群、チェンジアップ、スライダー、カーブでタイミングを外し、国際武道大打線に隙きを与えない投球を見せた。7回をノーヒットノーランに抑え大記録も期待されたが、「ノーヒットノーランだったけど、欲出してリズムを狂わして負けるのはよくない。七回終わって、代打、出して下さいといった」と話し、自ら降板を申し出てチームの勝利を優先させた。
継投した投手もノーヒットでつなぎ、試合としてノーヒットノーランを達成した。野村監督は「徳山は、この秋からリーグ戦で投げ、最長でも4回ちょっとしか投げていないので、展開で継いだ。段階を上がって成長している。ウチは6月ノーヒットノーランをやられたチーム。それを経験したことが、この結果につながったと思う」と話し、大学野球選手権で東海大札幌にノーヒットノーランされたリベンジを、全国の舞台で果たした。
徳山投手の投球には、対戦相手の大学球界の実力者でもある国際武道大・岩井監督が「ベンチから見て、最初にのストレートの切れ、球質がいい、厄介だと思った。リリースポイントが安定している。七回終わって交代したのにはビックリした。代わって打てるかもしれないと思ったけど、また、やられちゃった。いい投手、ジャパンに推薦するよ」と絶賛し、侍ジャパン代表候補に推薦することを示唆した。国際武道大は2012年の明治神宮大会で、富士大の多和田真三郎投手にノーヒットノーランをされている。
また、この投球を視察した広島の苑田スカウト部長も「ためがあって、打者がタイミングを取りづらく、スピード以上につまらせる」と分析すると、中日・米村シニアディレクターも「球の角度がいいし、打者はタイミングが取りづらい」と話した。地元・中国地方の投手で、貴重な左腕投手ということもあり、再来年のドラフト候補として頭の中に残っていくと思う。
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