ソフトバンク・永井スカウト部長の夏の甲子園総括

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福岡ソフトバンクの永井スカウト部長が、この夏の甲子園で注目した逸材の評価を行っている。

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BIG3の評価

まずはBIG3の評価について、花巻東の佐々木麟太郎選手は「彼の場合、体の大きさと故障率。それが体ができてきた時に故障率がどんどん下がってくると、どんどん本物の力に近づいていくんじゃないかなと。そういう感じがしますね」と話し、打撃技術は「ちょっと抜けている感じがしますね」と話した。

また広陵の真鍋慧選手には「スタンドには届かなかったですけど、打球の角度みたいなのは、しっかりと自分が振るべきボールに対して、しっかり自分でスイングを入れていっていますね。なんかすごく、勉強しているなという感じがします」と話し、九州国際大付の佐倉俠史朗選手には「佐倉君も意外にコンタクトがいいんです。なんか、体形を見たら大味っぽいんですが、意外とコンタクト率が高いんですよね」と評価した。

3人とも左打ちの一塁手だが、「そこはチームの状況もありますしね。でも球界を代表するバッターというのは、毎年出てくるわけじゃない。チームの状況に限らず行けという選択肢は十分にあるんじゃないですか。」と話す。そして、「清宮、安田、村上と左打者が3人、1位に並んだ年もありますしね。実際、ふたを開けたら、今のところ先に行ってるのは村上君ですが、清宮君もだいぶ出てきましたしね」と、2017年のドラフトと比較した。

遊撃手

遊撃手については、上田西の横山聖哉選手について、「彼は肩が強いですね。足の運びとかそういうのは、プロに入って、どんどんこれから磨いていったらいいんじゃないのかな。ただ、元の体の強さであったり、肩の強さであったり、みたいなのを持っている。あとは、プロに入ったら一日中野球ですから、明らかに上手になると思いますね。」と話し、プロで守備を磨いていく選手と話した。

東海大熊本星翔の百崎蒼生選手については、「彼の場合は横山君と逆というか、スローイングは悪くはないんですけど、個性のあるスローイングをするんです。それがぶれてもないし、彼の型というのがあって、ステップとかも見栄えはしないようで、ボールを捕る時のハンドリングは非常にいい。この2人は打つ方も面白い。打撃型のショートになれるんじゃないですかね」と特徴を話した。

また他にも、八戸学院光星のショート・中澤恒貴選手についても「彼は横山君と百崎君と似たタイプ。ショートの守備はギリギリどうかな、という感じですけど、パンチ力があって打撃型のショートですね」と評価した。

そして仙台育英の山田脩也選手についても「いいですよね。前に話した横山君、百崎君とはまた違うタイプですけど、守備でいうと、今の段階では一番、レベルが高いんじゃないですかね。守りから入っていけます。2、3年した時に山田君が意外に一番早く出てくるのかもしれませんね」と評価した。

その上でチーム事情について、「ウチは去年、イヒネを取った。でもじゃあ、イヒネ一人でいいのか。そこはやっぱり競争していかないといけない。結局は、やっぱり競争なんですね」と話し、遊撃手の獲得の可能性も示唆していた。

投手

まずは仙台育英の湯田統真投手、高橋煌稀投手、仁田陽翔投手の150キロ投手陣について、「彼らは全員、どこに行ってもいい投手でしょ? あのレベルを3人抱えたら、監督はうれしいですよ」と話す。その上で高橋投手には、「いいですよね。球のボリュームは、一番いいですよ。」と評価し、「初戦の浦和学院で先発した湯田君も完成度は高い。どの球種でもストライクが取れますしね。」と評価した。

徳島商の森煌誠投手には「完成度、高かったですね。なんか、大学生か社会人のピッチャーと違うかくらいの感じでしたね。高校生のああいう素材型のピッチャーって、ボールとか素材が良くての評価なので、だいたい、勝てないピッチャーが多いんですよ。その中で彼は、徳島大会5試合を1人で投げて、徳島商をきっちりと勝たせて甲子園に来て、甲子園でもきっちりと結果出してくるあたり、ちょっとすごいなと思いました」と高く評価した。

他には履正社のエース・増田壮投手について、「あのチェンジアップは特殊球ですよ、プロに来ても。その1球の特殊球を持っているピッチャーは強いんです。あのチェンジアップはホントに一級品です。あとはストレートのボリュームを上げていくとか、課題はあるにしても、あれは本当に打たれない。やっぱり150キロを投げるということに目が行きがちなんですけどそれと同等ですよ」と評価した。

秀岳館時代にお化けチェンジアップと評価した田浦投手を指名しており、「田浦もあのチェンジアップとスライダーが良かったですからね。でも、あいつが一番良かったのは、森君じゃないですけど、マウンド度胸。あんなにフィジカルは弱いのに。走ったらすぐバテるしね」と話した。

同じく履正社の150キロ左腕・福田幸之介投手については、「彼は素材型。彼の150キロ近いストレートというのは、増田君のチェンジアップと同じくらいですね。彼の魅力はといわれたらそういうことになりますね。初戦は短いイニングで、出たときに何回も何回もブルペンでつくって、行くぞと気負いすぎて投げているのが分かったから、落ち着け、落ち着け、って感じでしたね」と評価した。

また地元では沖縄尚学の東恩納蒼投手について、「彼はちょっと、高校生にしてはずる賢い。こんな言い方しちゃ駄目かな。でも高校生のストライクゾーンをフルに活用して、そこに出し入れしてくるから、なかなか打てないですよ。プロよりちょっと広めのストライクゾーンで、アウトコースにしっかりと投げ込んで来る。そこはバットが届かんわ、という所なんです。そこに投げられる能力があるというのが一番。非常にいいピッチャーです」と話し、「メンタル、考え方を含めて、プロ向きだと思いますね。大学に行ったとしても1年生から投げて活躍するパターン。三浦銀二君みたいな感じでしょうね」と話した。

東海大熊本星翔の玉木稜真投手には「玉木君は全然ありだと思いますね。ホークスにもいた鈴木平さんみたいですね。右バッターは怖いですよ、あの球威で、あの角度で来られたら。」と評価し、神村学園の黒木陽琉投手も「非常に球が速いですし、面白いですね。2人ともいいピッチャーですよ」と評価した。

また地元では宮崎学園の2年生・河野伸一朗投手を 「あれは面白い。うちのスカウトも、宮崎に隠しておきたかったって」と話し、鳥栖工の1年・松延響投手も「あんな中学3年生がいたら、引っ張りだこだったでしょ? 1年生であれやったら、ここから伸びるか伸びないかはまだ分からないですけど、ここから伸びたら、めちゃくちゃ楽しみですよ。球の威力もあったし、全然よかった。しかも、勝ちましたしね」と評価した。

その他の選手

この他では、浜松開誠館の新妻恭介捕手について、「彼、良かったですね。初回、1イニング目の1球目のスローで、もう、これええやんと。ホームランも逆風の中で打ちましたしね。実は他に名前が挙がっていたキャッチャーもいたんですけど、スカウトのみんなで新妻君を見て、あ、こっちの方がええやんって」と高く評価した。

星稜の武内涼太投手は「雑誌にも、星稜の武内、ピッチャーって紹介されてるのに、写真がバッター。これ、どういうコンセプト、って思って。ピッチャー、どうなんやろね?スカウト陣はそこが引っかかってるんじゃないかな?」と、創成館戦で2回途中5四球で降板したことを気にしていた。

そして「あとは、右のスラッガーで言うと、沖縄尚学の仲田侑仁君。」と仲田侑仁選手の名を挙げた他、「個人的に僕が好きなのは、プロとかはこの段階ではないんですけど、沖縄尚学の知花慎之助君ですね。1番打者で、春はキャッチャーもやっていた選手です。大学とか社会人に行っても重宝されて、試合に使われる選手だろうなと思いましたね」と知花慎之助選手についても評価した。

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