150キロ右腕・吉田輝星投手が甲子園へ、1年前の敗戦から大きく成長

吉田輝星, 金足農

金足農が甲子園出場を決めた。150キロを記録した吉田輝星投手が甲子園で輝く時が来た。

1年で

1年前の決勝では、2年生でともに先発した明桜の同じ2年生・山口航輝投手の喜ぶ姿を見送る側だった。吉田投手は6回途中まで5失点し降板していた。山口選手について、「足元にも及ばなかった。打っても投げても凄い」と話し、敗戦後は父も「野球をやめるんじゃないかというほど落ち込んでいた」と話すほど落ち込んでいたという。

しかし、そこから吉田投手の成長が始まる。課題と指摘されたスタミナ不足を、冬に周囲も心配するほど走り込みをして強化すると、それによって下半身が強化され、球のキレもそして球速も増した。3年生になると春に140キロ後半を記録し、この夏に150キロを記録した。また、この日も9回2アウトから147キロを記録し、スタミナも完全に克服した。

1年前の敗戦から、大きく成長をした吉田投手、この日は明桜を4安打11奪三振で無失点に抑え、山口選手も4打数で3三振、ノーヒットに抑えた。父親も「本当に頼もしくなった」とスタンドから見守った。

今大会は5試合すべてを一人で投げぬき、43回646球を投げた。イニング数を大きく上回る57個の三振を奪い、秋田県では秋田商の成田翔投手(2015年千葉ロッテドラフト3位)が記録していた55奪三振の記録を塗り替えた。

甲子園でも150キロ級のすごいピッチングをしてくれると思う。そしてその投球を見せたとき、ドラフト1位の声も増えてくることになりそうだ。敗戦の経験、ライバルの存在、そしてそれを乗り越える練習をする精神力、吉田投手には多くのものが備わっている。

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2018年度-高校生投手-右投のドラフト候補リスト

1メートル75の体が大きく見える。金足農の150キロ右腕・吉田が4安打11奪三振で今大会3度目の完封。全5試合43回、646球を一人で投げ抜き「最高でーす!」と絶叫した。57三振を奪い「ここぞという場面では三振を狙ってきた」と笑った。
 雪辱だ。昨夏秋田大会決勝は同じ明桜が相手。5回2/3を5失点で敗れ、同学年の相手エース山口に打ち負かされた。「足元にも及ばなかった。打っても投げても凄い」という存在を追いかけた一年。この日は4打数無安打、3奪三振と完璧に封じた。第1打席で内角に決めた145キロ直球は、山口に「気づいたらミットに球が入っていた」と言わせた。

昨夏は「力でねじ伏せようとしていた」というが、スタミナ面に不安を残した。課題克服へ、冬場は中泉一豊監督(45)が「走りすぎじゃないの?と思うくらい、自分から走るようになった」と振り返るほどの走り込みで体力を強化。雪の中、長靴を履いての長距離走や、室内練習場でのダッシュに取り組んだ。
 下半身強化でスタミナだけでなく、球のキレも増した。女房役の菊地亮太捕手(3年)は「(ミットの)ひもはすぐ切れる。ミットも、もって1~2か月なんです」と明かすほどの球威を誇る。この一戦もスライダーなどの変化球を多く使いながら、9回2死でこの日最速タイの147キロを計測。豊富なスタミナを生かしたペース配分で相手打線を封じた。明桜の4番で今大会2発の強打者・山口航輝左翼手との対戦では、4打数無安打3三振。互いに認め合うライバル対決を制し、試合後は山口に「お前の分まで頑張る」と決意を伝えた。

前日23日の準決勝は中日、日本ハムなどプロ4球団のスカウトの眼前で14奪三振。この日は九回に最速の147キロを計測するなど、相手打線を寄せつけなかった。全5試合で完投し、計57奪三振をマーク。2015年に秋田商の成田翔(現ロッテ)が記録した5試合55奪三振を上回った。
 1年越しのリベンジだった。明桜には昨夏の決勝で1-5と敗戦。先発した吉田は六回途中5失点でKOされた。「野球をやめるんじゃないかというほど落ち込んでいた」と金足農OBの父・正樹さん(42)。先輩の高校野球生活を終わらせただけでなく、3年夏の決勝で明桜の前身、秋田経法大付に敗れた父の雪辱も果たせず、ふさぎ込んでいた。


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