今年のドラフト会議の注目選手の1人で、148キロ左腕投手の大阪桐蔭・前田悠伍投手が登板し、敦賀気比から14三振を奪う投球で9回1失点完投勝利を挙げた。
142キロ
前田悠伍投手は球速よりもキレを良くすることを目標にオフに取り組みをしていた。この日は秋よりも力を増した腕の振りで、序盤は130キロ台中盤の速球を低めに集め、インコースもしっかりと攻める。そしてキレの良い変化球を散りばめ、敦賀気比高校打線から次々と三振を奪っていった。
後半になってくると少し余裕も出たのか、7回にこの日最速の142キロを記録した。序盤からヒットは許したものの、失点は1のみ。8回には連打で1アウト1,2塁になったものの、チェンジアップで三振を奪って切り抜け、9回8安打14奪三振1失点で投げきった。
秋のドラフト会議の上位候補に12球団のスカウトが視察し、次のように評価している。
◯オリックス・牧田編成部副部長:「落ち着いたマウンドさばきは一番の成長。走者を得点圏に出しても、低めに変化球をきっちり投げる。ホームを踏ませないという気持ちも伝わる。注目度が高い中でもこうして結果を残す。自分の投球スタイルをよく理解している。今年のドラフトの中で注目の1人ということは間違いない。」
◯東京ヤクルト・小川GM:「真っすぐは角度があり、変化球もうまく操る。緩急が使える。左投手で将来的に楽しみ」
◯東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「テクニックがすばらしい。ここ一番で低めに投げられる。ストライク、ボールの出し入れもできる」
◯横浜DeNA・進藤編成部長:「チェンジアップ、スライダーはキレがある。球持ちがいい。高校生では完成度が高い。制球が良く、ピッチングができる投手」
◯巨人・水野スカウト部長:「上位候補になってくる」
◯巨人・渡辺スカウト:「本調子ではなかったかもしれないが、要所でしっかり空振りを取れる。直球でも変化球でも三振が取れる。左投手でこれだけの技術を持っている。東日本の候補はそれほど見られてはいませんが、やはり前田くんが世代NO.1ではないですか。西の投手では上にいます。」
◯北海道日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長:「チェンジアップなどの変化球も素晴らしい。腕の振りが柔らかい」
◯北海道日本ハム・山田アマスカウト顧問:「いつもよりは直球が走っていないように見えたが、変化球でしっかり試合を作れるのがすごい」
◯埼玉西武・渡辺GM:「ボールのキレで勝負するタイプ。追いかけていくことになる」
◯埼玉西武・潮崎編成グループディレクター:「変化球をしっかり使えるのが強み。ピッチングがうまい」
◯中日・松永スカウト部長:「チェンジアップが良い。低めのボールゾーンに落とせるので空振りが奪える。」
◯中日・米村シニアディレクター:「まとまっている。連打を食らわない技術が高まっている。直球で空振り、見逃しが取れるようになれば、トップクラスになってくる」
◯千葉ロッテ・榎アマスカウトディレクター:「直球に切れがあった。変化球がいいですね。もともと伸びのあるまっすぐがあるので、もっとスピードが出てくれば簡単に三振を奪えるようになる。」
◯福岡ソフトバンク・稲嶺スカウト:「直球の威力も十分で、スライダー、チェンジアップを駆使するコンビネーションも魅力。」
◯東北楽天・後関スカウト部長:「調子が悪かったのかもしれないが、悪いなりに試合をつくれる。いい投手という印象」
◯東北楽天・足立スカウト:「やはり完成度が高い投手。まっすぐも力強いし、打者を見ながら投げられる」
個人的に期待していたのは、昨日の変化球を持ちながらも球速は145キロから148キロくらいを記録するかなと思っていたが、まだこの時期ということもあるのだろう。そして大阪桐蔭の投手は夏前に球が強くなってくる印象もある。
制球、そして変化球の鋭さをしっかりとアピールした。今大会は優勝を狙うため、このような投球を続けるのではないかと思うが、センバツ後に一度落としてから6月くらいに上げてきた時にどんな投球をするのか注目したい。







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