広陵・中村奨成選手が勝負を決める特大弾、今大会4発

広陵高, 中村奨成

広陵の中村奨成捕手がこの日、試合を決める特大の2ランホームランを放ち、今大会4号となった。清原選手の1大会5号の記録更新も見えてきた。

高校通算42号

大会前は、甲子園初登場となる中村奨成捕手の、高校NO.1とプロのスカウトが評価する強肩と、打撃、そして足の速さで注目されるかもしれないと思っていた。しかし大会が始まると、それ以上の注目を集め、ドラフト1位指名確実、そして甲子園にスターになった。

中村選手この日、第2打席で2ベースヒットを打つと、6回の第4打席では2アウトながら満塁の場面で打席に入り、広くあいた二遊間の間を抜ける2点タイムリーヒット、4-4の同点に追いつく値千金のヒットだった。

そして9回表、打席に入った中村選手は2ストライクと追い込まれる。それでも外角高めの速球を会心の当たり、打った瞬間にガッツポーズを見せダイヤモンドをゆっくりと回った。打球は甲子園の中段の上部、もう少しで上段に届く当たりで、金属バットとはいえプロでもなかなか見られない当たりだった。「勝ちたいという気持ちだけでした。最高に気持ち良かったです。感触は完璧でした」というホームランで6-4と勝ち越し、チームに勝利をもたらした。

聖光学院の斎藤監督も「中村一人にやられた。過去に対戦した中では筒香かな」と日本の4番の名前を挙げた。広陵の中井監督も「努力するから何かを持っている。ソフトバンクの柳田、内川みたいになるかなあ」と長打力もアベレージも残せて、チャンスに強いバッターの名前を挙げた。

4本塁打

この日のホームランで、中村選手は広島大会の準決勝から5試合連続ホームラン、甲子園だけで3試合連続ホームラン、甲子園では4本目のホームランとなり、北條史也選手、平田良介選手などに並んだ。

甲子園では13打数10安打で10打点、驚異的な打撃を見せており、また守備でもこの日もバント処理でセカンドの素早い送球をし併殺を完成させた。第2打席の2ベースヒットもセンター前の当たりをセンターがややはじいたところを逃さずセカンドまで到達し、足のすばらしさも見せた。

ドラフト会議では1位指名はもちろん、競合の可能性もある。今年のドラフト候補では清宮幸太郎選手が頭一つ抜けていた。しかし清宮選手を諦めるのではなく、中村選手をその上に評価し、先に指名しても良いと思えるような、この甲子園の活躍になった。清原選手の5本塁打を越えれば、スカウトにとっても清宮選手より先に指名する理由が強くなってくる。

2017年度-高校生捕手のドラフト候補リスト

同点の九回無死一塁。歓声と拍手が湧き起こる中、打席に向かった。追い込まれてからの3球目、高めの速球をフルスイング。圧巻の高校通算42号を放ち、広島大会準決勝から続く5戦連続のアーチとした。

 捕手での1大会4発は大会初。清原和博(PL学園)が85年に記録した1大会最多記録の5本塁打へあと1本に迫った。「抜くぐらいの気持ちでやりたいと思います。記録にも記憶にも残るようにしたい」と歴史の更新へ意欲を示した。

中井哲之監督は「まぐれがここまで続くと認めざるを得ない。謙虚に練習したことが出ている」と褒めた。初戦から3試合で4本は春夏を通じて史上初。捕手としても79年浪商の香川伸行らを抜いて単独トップに立った。もう上には清原しかいない。「どうせやるなら清原さんの5本を超えたい」と力強い宣言が飛び出した。

プロ注目の強肩強打をまたも見せた。四回は二盗を阻止、八回は無死一塁で自分の前に転がったバントの打球を二塁へ矢のような送球で併殺に仕留めた。2-4の六回は二死満塁で外角低めのスライダーをうまく中前へ運ぶ同点の適時打。3試合で13打数10安打、打率・769、10打点の猛打で、チームを10年ぶりの8強に導いた。

守備では規格外の「鬼肩」でピンチを救った。4回無死一塁、ショートバウンドとなったチェンジアップを膝をついて捕球。一塁走者はスタートしていたが、不利な体勢からストライク送球で二盗を阻止した。どよめきにも「少しだけ聞こえた」と涼しい顔。強肩でも観客の視線を独り占めした。


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