広陵・中村奨成選手が大会6本塁打、球界から評価の声続々

高校野球ドラフトニュース 2017年ドラフトニュース

広陵の中村奨成選手が、甲子園の長い歴史の中で1大会6本塁打という新たな記録を打ち立て、甲子園の怪物となった。

清原越え

今大会4本塁打で迎えた準決勝、中村奨成選手は1アウト2塁で迎えた第1打席の初球にスイングをかけると、インコースの球をバックスクリーンに叩き込む、大会5本目のホームランを放った。注目され、1日空いての試合にも関わらず、第1打席の初球にこのホームランが打ち、抜群の精神力の持ち主であることも印象付けた。何より打席で落ち着いていた。

そして5回、カウント2ボールからの3球目の甘めのストレートをたたくと、左中間スタンドに飛び込む6本目のホームランを放った。ガッツポーズを見せたものの、落ち着いた様子でダイヤモンドを一周し、「記録を抜いたことよりも同点になったことの方がうれしい」と同点に追いつくホームランだったことを喜んだ。

怪物・清原の記録をあっさりと越えた。試合後に「本当に打ててよかったです。記録を抜いたという実感はないですけど、勝ったという喜びは大きい」と話した中村選手、「不思議な感覚。できすぎ。これが甲子園の力なのかな」とも話す。しかし、「今のままで満足したくない。誰も追い付けない記録をつくりたい」とさらにホームランを積み上げていくという意思も見せた。

この日は走者一掃の2ベースヒットも放ち、9回にもタイムリーヒットなど4安打7打点でチームを決勝に導く活躍を見せた。大会通算17打点、38塁打も大会新記録となり、甲子園の怪物となった。

評価の声、続々

この日は守備でも小フライになったバントをダイビングでキャッチし、併殺を完成させた。怪物を越えた打撃はもちろんだが、すべての面に評価の声が挙がっている。

PL学園時代に清原選手の5本塁打を見ていた、中村元監督は「攻守で味方を引っ張る姿勢も打席での好結果につながっている」と評価したが、清原選手について、「先輩にためにもチーム打撃に徹する姿が強かった。思うように打てと指示していたら、もっとホームランを打っていただろう」とも話した。そして「U18W杯でも結果を出し、さらに上の世界でも好成績を残す選手になっていけば、新記録がいっそうみんなの記憶に残るものになる」と話した。

横浜高校の渡辺元監督も「今までにないホームランバッター。打撃フォームが安定していて、高めでも低めでも本塁打にできる。本当に逸材。怪物ですね」と話し、「完成度では筒香より上」と話した。

高校卒の捕手として活躍をした千葉ロッテの伊東監督は「俺よりはるかにいいでしょ。久々に打って守って走って3拍子揃った逸材。手首の使い方がすごく柔らかい。ほかのポジションでもできる。体がしなる」と、選手としての柔軟性を見て、捕手でももちろんだがどのポジションでもできる選手と評価した。

千葉ロッテの永野チーフスカウトは「素晴らしいの一言に尽きる。広陵予選、甲子園1,2回戦にはあった左足の開きが無くなっており、右肩が極端に下がったスイングから、レベルスイングに修正できている。地肩の強さ、バント処理の早さなど、捕手としての能力も高く、1年目からレギュラー争いができる」と、スカウトの目から様々な角度で評価をした。

中村選手をほめる言葉はこれ以上はもうないだろう。あとは決勝でのプレー、U18W杯でのプレー、そして秋のドラフト会議を楽しく見たいと思う。

2017年度-高校生のドラフト候補リスト

かつて“怪物”と呼ばれた清原の1大会個人最多本塁打記録を、32年ぶりに更新する今大会6本目の同点ソロ。ダイヤモンドを一周する新怪物に超満員のスタンドからは割れんばかりの歓声が注がれた。

 「本当に打ててよかったです。記録を抜いたという実感はないですけど、勝ったという喜びは大きい」

打席に入る度に拍手に包まれた新ヒーロー。甲子園は中村のためにあるのか―。あの名実況を想起させたのは、1点を追う5回だ。真ん中低めの直球を中堅左に運ぶ同点ソロ。「不思議な感覚。できすぎ。これが甲子園の力なのかな」。7回2死満塁で左翼線に走者一掃の適時二塁打。9回にも中前適時打で4安打7打点。清原の5発を抜き去り、大会通算17打点、38塁打はいずれも大会新記録だ。

圧巻の活躍に、高校野球界の大御所からも「怪物」の声が上がった。テレビ中継のゲスト解説者として甲子園を訪れた横浜高の前監督、渡辺元智氏は「中継の中で思わず『怪物』と言ってしまった。中村君は打者の『平成の怪物』ということになるのかな」とうなった。「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔(現ソフトバンク)や筒香嘉智(現DeNA)らを育てた名伯楽も、その才能に太鼓判。清原を指導した元PL学園監督の中村順司氏も「今後が楽しみだし、記録はこれからの選手の目標になる」と目を細めた。

前人未到の領域に足を踏み入れても、「記録を抜いたことよりも同点になったことの方がうれしい」と、ド派手なガッツポーズを見せることはなかった。ただ、節目の100回大会を迎える前年に史上最強スラッガーが誕生した。歴史的瞬間を目の当たりにしたファンは興奮した。

「出来過ぎなくらい。正直、記録を超えた感じはない」と話すが、決勝でも新たな記録を打ち立てる可能性がある。4安打すれば、今大会20安打となり、86年水口(松山商)が記録した19安打を31年ぶりに更新する。二塁打が3本出れば15年杉崎(東海大相模)らの大会記録6を抜く。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
ドラフト会議ホームページ2024 Draft home page

コメント